グリンパ ~雪にあいに行こう~ その⑤ [旅]
スノーマンの頭を踏みつけその場を後にする。
はるか前方にあった観覧車を間近に見上げる広場へと移動した。横にはウルトラマンの等身大人形が誇らしげに立ち並ぶ。あまり興味がない子供達ではあったが、とりあえずそこでも記念撮影。そして雪原へと。そこは比較的、雪も軟らかく寝転んだり、鬼ごっこしたりするには最適だった。ひとしきり遊ぶ。
子供を攻撃した後に奥様のひざ裏をカックンし、後ろから抱え倒れ込んだ。
雪原にあお向けになった二人。こんな格好で空を見上げるのは何年ぶりなんだろう?雲がなくなり真っ青な冬空。時間の流れが止まった気になる。悪くない。韓流ドラマもビックリな行動ではあったが、グリンパマジックということにしておこう。
その後食事をしに食堂へ。
カレー、ラーメン、豚汁。もちろんビールを飲みながら。こういった場所で食べる食事ってどうしてこんなに美味しいんだろう。値段的にも極端な観光地料金上乗せもなかった。缶ビールだったが、正規の値段だったし。みずきも気を良くしたのか「ソリやるっ!」と積極的になった。
みずきを抱え凸ソリに乗り込む。つかさですら苦戦した2人乗りだ。ひとまわり大きいみずきとの二人ではさらに難易度が増す。ここは一人で行かすしかない。「大丈夫」そう言い聞かせ親指を上げ、私はソリから降りた。みずきも男の顔になり頷いた。
みずきを乗せた凸ソリは静かに動き出す。
徐々にスピードが上がっていく。なかなか上手に乗りこなしてはいたが、このスピードの上昇に伴い恐怖心がみずきを包み込んでいくのが分かった。スノボもそうだが、恐怖心は雪のスポーツでは命取り。ヘッピリ腰となり転倒を誘う。みずきも餌食となった。
ソリが横転。ゲレンデ中腹で止まる。さらには係りのお兄さんが助けに来ても突っ伏して泣いている。いったいあの男の顔は何だったのか。私はみずきの元までダッシュし、抱えて下まで駆け下りる。「もう一回がんばってみようか?」私は尋ねたが首は左右に振られるばかりだった。
最終話へ
頑張れっ!!
みずきっ!!
by tengonsan (2013-02-18 20:22)