プレミアムモルツ物語 その③ [家族]
帰りの車の中で長男が昼寝を始めた。
到着後、起こさぬように抱えて寝室に連れていく。私は長男を寝かせるという名目で昼寝をGETする事に成功した。1時から4時頃まで昼寝ができれば最高だ。そう目論んで眠りにつく。
1時間後、次男の泣き声で眠りから引き戻された。まだ眠い。寝室のある2階から一階へ移動。泣き声はどんどん大きくなり、疲れた神経を逆撫でする。
「もう起きたの?」
「こんなに五月蝿くて寝れるわけないだろ」
「私だって疲れてるし、寝たいんだよ」
「だったら買い物なんかいかないで寝ればいいだろ!」
お互いに大変なのは分かってるつもりだ。余裕がある時なら、こんな不毛な言い合いはするはずがない。しかし、今はお互い疲労困憊。相手を思いやれる余裕がないのだ。
二人ともが自己主張を続ければぶつかるのは必然だった。
ついに奥様が泣き出した。
「土日じゃないとお掃除とか何もできないのに・・・。」
完璧主義の奥様は理想が高い。その理想に届かないことがプレッシャーとなってのしかかってしまう。非常に真面目な人なのだ。いい加減な私の性格を少し分けてあげたいくらいだ。
私はその姿をみて更にイライラした。
してはいけないのは分かっている。慰めてやりたい。でもその余裕がない。
「泣く暇あるなら仕事しろ!消えろ!目障りだ!」
私は言ってはいけないことを口にしていた。
その④へ続く
本当の人生以上に、
リアルなドラマはないんですね。
by tengonsan (2011-09-02 20:09)