プチ冒険 その３

新幹線の自動切符売り場に紙幣を投入する。

大人１人、子供１人ボタンを押して更に入場券ボタンを押した。料金は２１０円（大人１４０円、小人７０円）。私は誇らしげにみずきに切符を渡し、つかさを抱える。改札口を通りエスカレーターに乗って構内へと突入、同じ行為でも先ほどの長沼駅とは比較にならない規模だ。子供たちの目の輝きも比べ物にならない、気がした。

しばらくのぼりのホームで新幹線の往来を見ていた。のぞみやひかりが目の前をものすごいスピードで駆け抜けていく。みずきとつかさがその度に感嘆の声を上げた。ようやく目当ての新幹線がホームに到着した。こだま６５２号（号は薄ら覚え・・・）東京行きだ。土曜日ではあったが、昼過ぎであったことや各駅停車のこだま号ということもあり余裕で座れそうだ。「よし、新幹線乗っちゃおう！」私は二人を乗車口へと導く。

「え～、こだま遅いからいやだ」

みずきが嫌なことを言う。「何言ってんだ！こだまも新幹線だぞ、200ｋｍとか出るんだぜ！！」私は必死でこだまをフォローする。せっかくの冒険でテンションを下げられたら、悲しい。フォローのかいあり「そっか～」といってなんとか納得してくれた。私たちは前から２列目の三人がけの席に着席、「すごいね、新幹線乗っちゃったね！」窓にかかっていたシェードを上げ車窓を眺めるみずきとつかさに話しかける。

父親と男の子二人が新幹線で旅に出る。仲良く３人掛けにすわる我々親子は他のお客の目にはどのように映っているのか・・・本日三回目の微笑ましい光景＆自己満足タイムの到来だった。

表向き微笑ましい行為だが、ここで謝っておかなければならないことがある。ほとんどの方がお気づきだとは思うが・・・私の行為は犯罪であるということだ。

● 入場券では列車に乗車できません。お乗りになった場合は別に運賃をお支払いいただきます。

ですよね・・・。

● JR東日本・JR東海・JR西日本の全駅、JR北海道の自動改札機導入駅及びJR九州の小倉駅、博多駅では入場券の使用時間が発売時刻から2時間以内となっています。また、2時間を超えた場合には、超えた時間に対して2時間ごとに入場料金を加算させていただきます。

これは今、ネットで調べるまで知らなかった驚愕の事実

とにかく私たちを乗せたこだま号東京行きは静岡駅を後にした。

その４へ