プレミアムモルツ物語 その⑤ [家族]
「メールの返事がこれか」
奥様が私の悪行を許し、わざわざビールを買ってくれたのだと思った。感謝の気持ちと反省が入交り、ちょっとスッパイ気持ちになった。
みんなの寝顔を見にいこう
私は階段を静かに上がっていく。三人を起こさぬよう、そっと寝室のドアを開けた。そこには愛する家族が川の字になって寝ていることだろう。笑顔が自然に溢れた。
しかし寝室に家族の姿はなかった。
「えっ」
思わず絶句してしまう。隠れて驚かそうとしているのか?奥様の名前を呼びながら、クローゼットや他の部屋を見て回る。いない!居るはずの家族が3人とも居なくなっていたのだ!!
私は急いで一階へ戻る。
風呂場や和室、やはりどこにも姿はない。
入れるはずのないトイレまで探し回る。
あそうだ。携帯!!
私はとりあえず奥様の携帯を鳴らす。
しばらくして聞きなれたメロディーがダイニングテーブルの上から聞こえてきた。
「まじかよ!?11時半だぞ。買い物?そんな訳ないよな!?」
私は仕事着のまま、家族を探して外に飛び出した。
その⑥へ続く
ええええっ!!!!
一体どうなるんだ!!!!
by tengonsan (2011-09-05 14:43)