プレミアムモルツ物語 その⑨ [家族]

警察官が二人リビングにいるだけで随分ものものしい雰囲気になるものだ。

いつもののんびりした光景が一転した。そんな状況なのだ。


いわゆる事情聴取が始まる。家の中の状況であったり、家族の持ち物であったり、服装であったり。特殊な状況が客観的に感じさせる。当事者のはずなのに・・・


おおよその聴取が終わった頃に両親も到着した。

両親も警官に頭を下げる。ばつが悪い。それでも少し安心したことは事実だった。


一人の警察官が無線を飛ばす。


「深夜でもやっているお店や公園中心に捜査開始して・・・・・」


私の消えた家族の説明も付け加えられた。深夜の為、本当の「捜索願」は明日、中央署で行うように告げられる。ここまでくると実感が薄れ、訳が分からなくなっていた。同じ説明を両親にも入れている。親が頭を下げる。色んな意味で辛かった。


「それではこれで帰ります。深夜だからママ友や関係者には電話しないでおきます。もし、旦那さんがどうしても確認したい人がいれば直接電話してみて下さい。」


深夜一時頃。そう言って警察官は帰っていった。

私は途方に暮れていた。連絡しようにも、奥様の電話にママ友とやり取りした形跡はない。私は奥様の白い携帯電話を見つめていた。


最終話へ続く

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コメント 1

tengonsan

本当にとんでもない話だったんだね。

結末が気になりすぎます。

リアルに、気になりすぎます。
by tengonsan (2011-09-20 21:43) 

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