トイ・ストーリー Anotherside 2 [昔話]
メガロマンのソフトビニール人形
「何か探してるのか?」
カウンターから初老の男性店主が声をかけてきた。店番をしていた彼は白髪まじりの坊主頭。一見イカツく、緊張感を覚えた。特に悪い事をしていないのに叱られそうな気分だった。
「・・・・。」
私は答えられずに、メガロマンのソフビを持ったまま固まってしまう。
「それが欲しいのか?」
所持金が全然足りなかった私は、ビビリながらとりあえず頭を縦に降った。
「どれ、見せてみな。」
おじさんは私からメガロマンを受け取る。メガネを少し下げながら値段を確認していた。そして下がったメガネの先から私をのぞき込む。
私は少し後ずさり・・・。
「お金いくら持ってるんだ?」
「170円です。」
私はそう答えた。メガロマンは980円。5倍以上のお金がないと買えない代物だった。
それを聞いたおじさんは満面の笑を浮かべて
「これ170円だから買ってくか?」
「うん!」
私は嬉しかった。バカの小1でも極端な値引きをしてもらっていることぐらい分かった。おじさんの問いかけに満面の笑で応えた。
こんなおもちゃ屋になりたいな・・・。
私がおもちゃ屋さんに初めてなりたいと思った瞬間だった。
その3へ
初めて聞く話だ。。。
何だかとても新鮮で、だけど懐かしい感じがする。
パインサー野郎さんの新たな一面を見ているよう。。。
続きがとても楽しみです。
by tengonsan (2012-01-31 20:39)
ちょっと切なくなるかも。
宜しければまたお付き合い下さい!
by パインサー野郎 (2012-02-01 11:19)