イニシエーション・ラブ ~乾くるみ著~ を読んで [50円文庫シリーズ]
私は浜松の鑑定団(インター付近)で中古の文庫本をよく購入する。それは作者や発売時期に関わらず、全ての文庫本が50円だからだ。これは安い。
年明けに鑑定団によって『イニシエーション・ラブ』を50円で買った。「恋愛小説と思いきや最後の2行でミステリに変わる」って感じの作品紹介が今回購入の動機だった。
読み終えての感想としてはトリック以上に驚いたことがある。それはあまりにも静岡ローカル小説だったからだ。
曲金・古庄・瀬名・流通通り・静波海岸・静波ココス・丸子・焼津・新静岡センター(現セノバ)・シシリア・伊勢丹・青葉公園のマック・久能街道・カネボウ通りetc。。。。
次から次へと私の生活圏の地名やお店が登場する。時折混じる静岡弁。読んでて景色が手に取るように浮かんで思わずニヤけてしまった。むしろ静岡人意外には分かりずらい記述も多い。それが静岡人な私に優越感すら感じさせてくれた。読んだことのない静岡人にはお勧めかも知れない。
内容的には違和感を感じながらも綺麗に騙された。
それと同時に女の怖さを感じる。私が以前酷い扱いをした女子に対して今でもたまに『申し訳なかったなあ』なんて憂いでいることがあるが、そんなことは正直必要ないとさえ思った。
女はいつも男の思惑のはるか上に存在しているのかも知れない。
タグ:乾くるみ イニシエーションラブ
RIKA ~五十嵐貴久~ を読んで [50円文庫シリーズ]
50円文庫シリーズその②
怖かった。こんな怖い小説初めてかも知れない。
ストーカーの話ですが、リカは間違いなくモンスター。
精神的圧力半端ない。怖くて一気に読んでしまった。
ただ、文庫出版にあたり付いたとされるエピローグは蛇足かと思う。
それとあまりに肉体的に強すぎる。
もう少し精神的な方法で追い詰めていたら・・・。ひ~。
夢に出てきそうな本でした。
50円文庫シリーズ [50円文庫シリーズ]
①ショートカット 柴崎友香
②悪夢の観覧車 木下半太
時間と距離と感情の絡みを考えさせる連作短編。
柔らかい雰囲気に包まれた綺麗な作品だが、個人的には好きではない。
「だからなんだ」と言いたい。
②悪夢の観覧車 木下半太
悪夢のドライブも読んだが(もちろん50円文庫)、観覧車の方が面白い。
少年マンガ+ハードボイルド映画(最後がレオンを思い出させた)って感じで面白かった。
ヘビーな内容になりがちな所を、天然キャラの賢治夫妻が面白おかしくしてくれていた。
一気読みしちゃいました。「悪夢のエレベーター」も読んで見たい。好きな作品です。
ストックが切れたので、昨日50円文庫を追加で購入してきた。
「セカンド・サイト」 「グラスホッパー」 「流星の絆」 「空中ブランコ」 「もう誘拐なんてしない」
徐々に読んでいこうと思います。
死神の精度 ~伊坂幸太郎~ [50円文庫シリーズ]
50円文庫シリーズも結構読んだ。「空中ブランコ」やら「もう誘拐なんてしない」やら「告白」やら。面倒で感想は書いていないけどどれも面白かった。50円で読めればお買い得だ。それでも「死神の精度」はとても良かったので一言書いてます。
とにかく、ありえない設定なのに読ませる作者の能力はさすがの一言だ。
50円シリーズで読んだグラスホッパーも面白かったが、個人的にはこっちの方が好きだ。読書に慣れていない私にも非常に読みやすかったし。
ありえない設定で思い出したが、以前私はありえない設定で小説を書いたことがある。原稿用紙70枚以上使って、車が感情を持つという内容の話を書いた。ひどい作品だったが、それにこりず、新作を今書いている。とっても暗い内容だ。人が死ぬとか狂うとか。発想もセンスも無いが200枚程度は書いて直木賞を受賞しようと思います。