人と水と ~縄文杉に会いに行こう~ [旅]
社外研修ということで屋久島に行かせてもらった。
鹿児島県の南に位置する孤島で、島の一部が世界遺産に指定されている。樹齢7200年(最近の調査では2100年との見解も)の縄文杉に会いに行くツアーだった。
縄文杉
山道を少し歩く程度の甘い考えでツアーに参加した私にとって、「縄文杉に会いに行き同じ道を帰ってくる」という工程は罰ゲームの域を超越した苦難の道のりであった。終われば全て良い思いでなのだが。
この縄文杉を始め、屋久島には多くの木々が生息している。火山活動で生まれたこの島の土壌は決して豊かではない。ではなぜその苦しい環境下でこれだけの植物がたくましく生きているのだろうか。それには大きな理由がある。
雨量が多いということだ。
屋久島の降水量は他地域を圧倒しているそうだ。私が滞在した3日間も太陽の光を殆ど見る事はなかった。この豊富な水が屋久島の自然を支えているのである。
私はそれを聞いて息子の行動を思い出した。それは雨が降っているにも関わらず散歩に行きたいとせがみ、水たまりではしゃいでビショビショになっている姿だ。私にとっては嫌な雨もこの子にとっては神からの贈り物。そんな感じがした。
人は生まれてくる前、母親の胎内で羊水に浮かんでいる。母親の愛情を、最高の安らぎを水の中で感じて生まれてくるのだ。私の子供が雨の中ではしゃいでいるように、私たちが水辺に落ち着きを感じるように、水の多い屋久島をパワースポットとして訪れること自体が、水と人との深い関わりを象徴しているようだった。
自然以上にそんなことを気付かされた研修だった。
大井川鉄道 千頭 [旅]
私は蒸気機関車(SL)に対し、あまり物珍しさは感じない。
それは育った環境下でSLを度々見る事ができたからだと思う。先日も友人の結婚式用余興ビデオの撮影で大井川を登っていった際に見かけて手を振ったばかりだった。
でもいざ千頭駅までいってみると、予想以上に良い経験となったのでBlogっておく。
昨日、突然奥様が言った。「SLを見にいこう!」子供の為だろう。
2歳前のわが子はプラレールが大好きで、「きしゃきしゃ、しゅっぽ しゅっぽ」と歌うほどだ。
少しでも本物のSLに興味を示せばいいかってな感じで車で1時間半ほど走り、大井川鉄道の終着駅である千頭駅に到着した。親の期待をよそにわが子は車で就寝。どうなることかと思ったが、到着後は機嫌よく目覚めてくれた。助かった・・・。
駅の切符売り場でSLの到着時刻を確認。1時間弱の猶予があったので構内のレストランで食事をし、その時に備えた。SLに乗ってしまうのもひとつかなと思ったが、乗車券が2,500円くらいしてとてもその気にはなれなかった。「SL内からではSLは見えない」そう言い聞かす。
駅構内への入場料は150円。JRとほとんど変わらない。もちろん幼児は無料。記念切符のような大きな切符をもっていざ構内へ。やがて大きく煙を吐きながらSLが3番線に到着した。
私自身迫力に圧倒されたのだが、わが子のテンションの上がりっぷりには正直驚いた。SLに興味津津で離れようともしない。得意の「しゅしゅぽぽ」も口ずさんでいる。
私は心から「良かった」と思った。そしてこれからも子供や奥様と色々なところに出かけ、たくさんの思い出を作ろうと誓ったのであった。
子供の笑顔は何よりのご褒美だ。
皆様も機会があればSLどうですか?あのタールの匂いや煙、そして勇敢なSLの姿は大人が見ても心躍ります。
富士山静岡空港 [旅]
県民の血税を無駄にしたとの誉れ高い空港。私も「それをこの目で確認したい」そう思っていた。完成から1年程度。実際の赤字額も半端ない。それでも空港内は非常にきれいだった。というか何もなかった。
素人の私でも心配になるくらい空港内は閑散としており、日曜でありながら発着便の少なさに驚愕した。駐車場もがら空き。逆にテンションがあがった。
息子は大好きなヘリコプターや飛行機が見れて嬉しそうだった。
駐車料金もかからないし、遊びに行くのもいいかも知れないが、ここで消費できる時間は1時間が限界だろう。地方空港の小ささや厳しさは半端なかった。本当に必要があったのかと思わざるを得ない。
まあ、たまには遊びに行こうと思った。近いし。
桜を愛でる [旅]
家族3人(厳密にはお腹の子を含めて4人)で花見に出かけた。
富士市にある岩本山」公園だ。近所に日本平など有名なお花見スポットもあるが、奥様が学生時代から好きな岩本山公園を選んだ。
天気は今一つのくせに、公園前は駐車場待ちの車で大渋滞。それを見て「帰ろう」と提案するも、「せっかくきたのに」という返答。我慢して待ち、ようやく公園に辿り着いた。
公園内もすごい人。家族連れが多く賑わっていた。震災のショックでお花見気分ではないだろうと思っていたがそうでもない。皆楽しそうにしていた。混んでてイライラしてしまった自分に反省する。
子供は芝生の上を楽しそうに走り回っていた。周りでボール遊びする人が多く、息子は顔面に1発頭に一発そして足に絡まって顔からダイブなどの逆境に立ち向いながら笑顔だった。
震災もそうだが、今後の日本は相当厳しい局面を迎える。
息子には今日のように逆境を跳ね返し、笑っていてもらいたい。きっと大丈夫だ。
島田バラの丘公園 [旅]
ゴールデンウィークに家族で実家に帰省した。
その足で吉田公園、バラの丘公園など公園攻めをしてきた。
島田市にあるバラの丘公園(名称を間違えていたらごめんなさい)。私が小学生だった頃は島田中央公園と呼ばれており、子供会やスポーツ少年団の遠足でなんどか訪れたことがあった。当時から比べると大きく変わっていたが、一番の変化はうちの子供も夢中になった「ミニSL」が設置されていたことだろう。
10時からミニSLは運行を開始する。私達が公園に到着したのは10時前。ようやくSLが動き始めた頃だ。しかし、その時点ですでに1時間待ちの長蛇の列。ドン引きだった。私は待つのが大嫌いだ。勿論、こんなSLごときで待つはずがない。子供の為にくだらない待ち時間を過ごすなど、狂気の沙汰としか言いようがない。そう思っていた。
しかし、実際に自分の子供を持つとこうも変われるものかと自分自身驚く。
「乗る!乗る!」ミニSLを見てはしゃぐわが子を抱きながら、何のためらいもなく、私と奥様は長蛇の列の一番後ろに並んでいた。
子供の力は絶大だ。そんなことを思ったGW。子供を育てているつもりが、育てられているのかもしれないと思った。
ちなみにこのSL。大人100円、小学生以下無料だった。
神戸ツアー その① [旅]
大学時代の友人、ノムさんが結婚した。
彼は結婚式を行わなかった。その為、彼を結婚式に招待していた私たち友人3人(遠藤君、オッジー、私)は、彼を勝手にお祝いするべく神戸へと旅立った。
新神戸に到着。静岡駅から新神戸までの区間でビールを4本も飲んでしまった。久々に友達に会うことでテンションが上がっていたのだと思う。隣に同郷出身の遠藤君がいたからかも知れない。ともかく主役含めた4人が新神戸で4年ぶりの再開を果たした。
さっそく名物を喰らいにいった。
神戸牛ランチ
ランチでありながら一人4000円レベルの料理だった。
一テーブルごとにシェフが神戸牛を焼きにくる。庶民の私にはあまり経験ない世界。とても柔らかくジューシー。ガーリック風味が食欲をそそった。しかもノムさんにご馳走してもらった。ゲストのはずなのに・・・。ゴチです!!
ノムさんの車で移動していたので流石にビールは注文しなかった。
神戸を満喫すべくツアーは始まった。
その②へ
神戸ツアー その② [旅]
昼から豪華な食事を終え、あいにくの小雨の中を歩く。
次の目的地は、お酒大好き遠藤君が選んだ「酒蔵めぐり」だ。神戸には酒造メーカーが多い。理由はゴメンナサイ分からないが、何件かはしごさせてもらった。
ただ酒(試飲)のためである。
日本酒や梅酒、ワインを飲んで次の目的地へ。運転は相変わらずノムさん。なんだか申し訳ないが、気にしない。お腹いっぱい、お酒もいい感じって訳だ。
次はかねてから気になっていた場所、宝塚にある「手塚治虫記念館」に向かった。市立ってのが彼の偉大さを物語る。
私は小さい頃からマンガが大好きで自分で書いたりもした。その作品の中で18巻に渡り書き続けた作品がある。「ちょうとっきゅうれっしゃマーム号」という宇宙空間を行き交う列車(10巻を越えた辺りからロボットにも変形する)の話だ。
一見、松本零士著「銀河鉄道999」がモチーフになっていると思われがちだが、実は手塚治虫が作ったアニメ「海底超特急マリンエクスプレス 」を見て書き始めている。
ブラックジャックなどの作品も大好きな私はかなりのテンションで臨んだ。
結果、テンションが高すぎて多少残念に感じた部分もあったが無事手塚治虫記念館を満喫した。
ここで私たちに試練が訪れる。
雨が止まないこともそうだが、「行く場所がない」状況に陥った。オッジーもノムさんも基本的に神戸の人間。私や遠藤君の様に行きたい場所もない。六甲山が雨の中私たちを見下ろしていた。
とりあえず食べるしかないな・・・
ノムさんがポツリと言った。やることのないおっさん達には食べるしかないのだ。ステーキとお酒で満たされた胃袋に喝を入れる時間が始まることになる。
その③へ
神戸ツアー その③ [旅]
デザートを食べよう。
私以外のメンバーはお酒好きのくせに甘いものも好んで食する。おかげで遠藤君やオッジーは見事なメタボ体型を形成している。
私はそれほど好きではなくお腹もいっぱいだったので正直いらなかった。しかし、ノムさんに「いらない」と言えず・・・有名なロールケーキ屋に向かうことになった。
車で一時間以上かけてお店に到着。そこまでする必要があるのか疑問だったが、口には出せない。しかし、辺りは人だかりでいっぱいだった。
販売店やカフェが一つの敷地に隣接された形で建っている。どこも長蛇の列だった。写真のカフェに関しては予約でいっぱいで閉店までに入れるかすら分からないとのこと。たいそう美味いんではないかと感じさせた。正直私はほっとした。私にとってデザートは別腹ではないのだ。
せっかく来たので有名なロールケーキを並んで購入。お持ち帰りすることになった。ほっとしたのもつかの間
「なんとしても神戸グルメを食べ尽くさせたい」
ロールケーキを食べれなかったことでノムさんのサービス魂に火がついてしまったのだ。これを世の中では「過剰サービス」や「ありがた迷惑」と表現する。まあ、ありがたいのだけれど。我々は次の目的地(食べ物屋)に向けて出発した。
その④へ
神戸ツアー その④ [旅]
一行は新長田に到着した。
ここは漫画家横山光輝を全面に押し出している街。鉄人28号や三国志などであふれかえっていた。
私たちは有名なお好み焼き屋「ゆき」に向かう。テーブル席が5席位の小さな店内には焼き物独特の香ばしい匂いが充満していた。店員の女の人(こいつがゆきなのか?)も女というよりはおっさんに近かった。
名物、ぼっかけ(スジ焼き)とそばメシを注文する。お腹いっぱいだったが、匂いにつられて胃袋は隙間を形成していた。そして味も大満足といえた。特にぼっかけは今まで食べたお好み焼きの中で最高に美味く感じた。ネギ焼きも良かった。
しかし、お店の人はやはり関西人。強引だった。
ソースのハケの使い方、食べ方、色々な指導が入る。気持ちよく食わせろよと思うが、これも醍醐味か。後から来たカップルが注文に悩んでいたら「とにかくぼっかけを食べればいいから」と、注文も聞かずに勝手に作り出していた。さすが関西。おそるべしだった。
満腹中枢は120パーセント満たされた。ここでノムさんが言った。
「次はラーメンだ」と・・・。私は覚悟を決めた。
その⑤へ
神戸ツアー その⑤ [旅]
「こってりとあっさりどっちがええ?」
呑気にノムさんが聞いてきた。答える必要があるのかと思う。
「あっさりでお願いします」
勿論そう答えた。
車は一路ノムさんの家のある加古川方面へ向かう。その道すがら1件のラーメン屋によった。店の名前は「ちぇり~」。神戸では有名らしい。さっぱり塩でも胃袋が受け付けるか心配だった。
店内に入ると異様な匂いが流れている。にんにくの発する独特な香ばしいそれに驚く。あっさりのはずではなかったのか!?
「がっつり系にきまっとるやろ」
ノムさんは嬉しそうに言った。
これでも野菜盛りなだけ。太麺、濃厚スープ、山積みされる具材。ここはこってりがっつりラーメンにほかならなかった。お客もメタボな人が多かった。
終わった・・・
私はそう思った。途中記憶をなくしながらも完食する。
「次は何が食べたいねん?」
自分は遠藤君と二人で一杯しか食べてないからそんな事がいえるのだ。私は返答することすらできない状態に陥っていた。
その⑥へ