神戸ツアー その⑥ [旅]

通常の状態であれば相当に美味しかったであろうラーメン。それを瀕死の状態で完食した私を乗せてノムさんカーは家路についた。


加古川の新しい住宅地。そこにノムさんの新居があった。

築半年。新築の匂いプンプンだった。おっさん3人がここで宿泊してはいけないだろうと思われた。更にノムさんは昔から超が付くほどの綺麗好き。大学時代のアパートも埃一つなかったが、新居は輪にかけてって感じだった。

半年前に結婚した奥様とのケンカの原因も掃除にあると聞いて、ノムさんらしいなとうなずく。あるあるだ。



ここで私は提案してみた。

「温泉にいきたい」


新築の風呂を汚さない為もあるが、ボロボロになった胃袋をはじめ、私自身を癒やしてやりたかったのだ。ノムさん宅の冷蔵庫にはスーパードライが山積みされていた。発泡酒や第3のビールではない、正にビール

風呂上がりにいきたいじゃないかと。


私の意見は以外にもすんなり許可された。

ノムさんもおっさん3人に風呂を使われたくないようだった。



近くのスーパー銭湯で私達はしばし休息をとった。

風呂上がりの飲み物も我慢した。帰りにさらにビールやお酒、つまみを買い込み宴の準備は整った。


四年ぶりの酒。募る話もある。

皆、ラフな格好に着替え、スーパドライで乾杯した。「ビールは別腹」が私の座右の銘だ。


その⑦へ

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神戸ツアー その⑦ [旅]

お気楽だった大学生活から14年余り・・・

当時と今では酒の席での話題もまるで違った。


何よりお互いが家庭を持った事が一番大きな違いだろう。

全員が子供も授かった。


ただ重いばかりではない。皆それぞれに楽しみを持ち、裕福ではないながらも楽しんでいる。大学生活の不毛な4年間が人生における余裕を生んだのかとも思う。

ノムさんはそんなことよりKARAのスンヨ(だったかな?)に夢中でその話と撮り貯めた映像で楽しんでいたが・・・。とにかく楽しかった。酒もすすむ。



どのくらい経過したのか?

ビールの缶が山積みになった頃、私は床で寝始めたらしい。(ここからは残された少ない記憶で書くのであしからず)

皆に「布団で寝ろ!」と促され、挙句の果てに布団まで運んでもらったそうだ。ご・・ごめんなさい。

ごめんなさいついでに、私は気持ち悪くなった。その原因は今まで食べてきた食事とお酒、そしてとどめにコイツを食べたからだった。


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ノムさんはこのロールケーキを御丁寧に一人10cm近い厚さで切り分けてくれたらしい。それを見て私も嬉しそうに「太すぎだろ!!」とつっこみながら一瞬にしてたいらげたそうだ。記憶にはないのだが。


ただトイレで戻したものが「ロールケーキのようなもの」ということだけはうっすらと記憶していた。ノムさん、新築のトイレでゲロってごめんなさい!!


気が付いたら朝だった。


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神戸ツアー その⑧ [旅]

朝、胃袋は悲鳴をあげていた。

睡眠はとったはずだ。隣で寝ていたオッジーは4時頃から起きていたらしい。上手く寝れないようだ。就寝中無呼吸だったと遠藤君も心配していた。おっさんだから仕方がない。

ただ、私は寝たのに回復していなかった。モーニングコーヒーすら受け付けない状態だった。


出発前に、実家に帰っていたノムさんの奥様と息子がやってきて挨拶。いろんな事情で息子は既に中1だった。人生色々だ。様々な反対もあったらしい。

その障害が逆に気さくな奥さんとノムさんの愛情の深さを物語っていた。



そして・・・ グルメツアーは続いた・・・


まずは名物、明石焼きだ。


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柔らかい卵のたこ焼き。ダシで頂く。胃袋にも優しそうなコイツでさえ、私は2~3個食べるのが限界だった。


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その後、腹をすかす為に立ち寄った商店街で私は胃薬を買った。ソルマックだった。人生で初めての事だった。


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神戸ツアー その⑨ [旅]

ソルマックは精神的にも肉体的にも楽にしてくれた気がした。


「だいぶ楽になったっぽい」


曖昧な言葉の中にも復活の息遣いは聞こえ始めていた。

しかし、そんな私にノムさんの追い打ちは続いた。


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あまりのショックに写真を取ることさえ忘れていた(食べてる途中で気がつきました。汚くてゴメンナサイ)。海鮮丼と味噌汁で500円。普段なら飛びつくが今回は・・・


夜の居酒屋で余った大量の具材が、所狭しと乗っている丼。

瀕死の状態で乗り切った私は、押し出されるモノを感じ、近くのファミリーマートのトイレに駆け込んだ。口から下までが全てつながって押し出されている気がした。


ただ、まだ終わらない。私たちはその足で中華街へ向かった。


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この神戸ツアーもフィナーレを迎えようとしていた。


最終話へ



タグ:海鮮丼
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神戸ツアー 最終話 [旅]

神戸南京町の老祥記は「ぶたまん」という名称発祥のお店だ。

その日も小雨の降る中長蛇の列が形成されるほどの人気店。その場で食べる行列と持ち帰り専用の行列があった。

直接食べるには対応しきれない胃袋の状態であったことと、持ち帰りの行列の方が進みが早いとの理由で持ち帰りを選択。個人的に助かったわけだ。


その後は別れを惜しむかのようにブラブラと。


遠藤君はどうしても「わんたん」が食べたいといって一人立ち食い。

私は横で眺めるだけで精一杯。


ノムさんはスンヨのクリアファイルを買ってご満悦

私は横で眺めるだけでお腹いっぱい


オッジーはトイレを探して奔走した挙句、詰まった便器を見て悶絶

私は話を聞いただけで気絶寸前



その後一攫千金を求めWINSへ

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学生時代、みんなでパチンコ屋にたむろしていた頃を思い出す。なんだかセンチメンタル。甘酸っぱい気分だった。

結果はあえて伏せておく。まあ、しょっぱかった。



その後、四人は新神戸駅に向かう。

別れの時を迎えた。


 「月2千円貯めて4年後に豪遊する」 


4年後は皆40歳の大台に乗る。笑顔の中に寂しさも映る。

再開の約束が別れの言葉となった。



追記

お持ち帰りした1個90円のぶたまん、ノムさんがお土産にくれた姫路おでんなど、どれも美味しく頂いて厳しかったグルメツアーを締めくくりました。みんなありがとう!!

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ハワイ研修旅行~序章~ [旅]

来る11月24日から会社の研修旅行でハワイに行くことになった。

皮肉なこと?に11月24日は奥様の誕生日に当たる。まあ、申し訳なさ3倍で海外旅行に行く格好だ。ハワイは私にとって2回目。前回も会社の研修旅行で行った。

その時は新居に移住して一週間も経っていなかった。ことごとく奥様の感情を逆なでするタイミングでの旅行なのだ。

しかも私は飛行機が大嫌いだ。狭いし怖い。できれば行きたくない。ハワイなんて片道8時間も空の上・・・。考えただけでぞっとする。私は日本旅行が良かった。

うちの社長は儲かるとハワイに行きたがる。社員達は全員ハワイでゴルフでもさせておけば喜ぶと思い込んでいるのだ。まあ、人の事を考えられないから会社を興したのだろう。たいしたものではある。


ただ今回は楽しもうと思う。

どうせなら楽しめって奥様が言ってくれるし、前回は延々部屋でトランプをして過ごした記憶しかない。それではあまりにもったいない。

一応初ダイビングも予定している。無事で帰ってきた暁には、ブログで少しでも紹介したいと思う。今日、海外旅行保険に加入したが使用しない事を祈って出発します。


その①へ続く・・・はず




タグ:ハワイ
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Hawaii その1 [旅]

11月24日から11月29日の4泊6日で会社の研修旅行が行われた。

行き先は以前から伝えていたようにハワイ。

なぜハワイなのか。それは社長の一存による。バブル経験者は『儲かったらハワイ』『誰もがハワイ好き』と勘違いしていることが多いようだ。わが社のそれも例外ではなかった訳だ。


かくしてハワイにこれっぽっちも行きたくない10人と社長とのハワイ研修はスタートを迎えようとしていた。

集合場所は中部国際空港セントレア。私は静岡駅から新幹線、名古屋駅から名鉄線に乗り換え一路セントレアへ。時間通り集合場所に到着した。万事予定通りと一安心していたその刹那・・・度肝を抜かれることとなった。そこにいるはずのない人間が紛れ込んでいたからである。


社長が私たちに向かってその人を紹介した。


ウクライナ人のビクトリアだ。日本語は少し話せるから。みなよろしく」


「よろしく おねがいします」

なれてなさそうな日本語でビクトリアなる人物は挨拶した。見た目スタイル抜群、30前の金髪女だった。社長はコイツをハワイ研修に連れていくらしい。正気か!?


突っ込みどころ満載だ。

バツ付き50代のおっさんが30そこそこのパツ金かよ

金目当て以外に理由がみつからねえ

会社の研修旅行に連れてくんなよ!せめてこっそりやれ!!

ビクトリアって!!


後の情報では、ビクトリアは社員でもないのに(ってか何にもしてないのに)会社から結構な給料を貰っているらしいから驚きだ。これでボーナス削って、営業歩合も減らしてたら誰もついていかないですぜ!社長!!


まあ、そんな悲しい気分を払拭すべく、セントレアでビールを2杯ほど飲み干し飛行機に乗り込んだ。もちろん、社長とビクトリアが先にビジネスクラスに乗り込んでいたことは言うまでもあるまい。


その2へ

タグ:ハワイ
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Hawaii その2 [旅]

飛行機の席は3人がけの真ん中だった。7時間にわたるフライトを考えかなり落ち込んだが、思った以上に搭乗率が低く、すぐ2人席へ移動できたのはラッキーだった。

二人分のシートを独り占めし、ビールをあおる。暇つぶしに購入しておいた文庫本『夜は短し歩けよ乙女』を広げ睡魔を待った。


うとうとする度に斜め前の赤ちゃんが元気よく泣いてくれたので、最終的にほとんど寝ることは出来ずにオワフ島へ到着した。親が子供を連れていきたい気持ちも分かるが、子供達に長時間のフライトは酷である。私は睡眠を邪魔されたことより、無理やり連れてこられた彼らに同情を覚えた。『俺も一緒に泣きたい気分だぜ。仕事も残してきているし・・・』


オワフ島に到着しても今回のフライトは終わらない。目指すはハワイ島だからである。ハワイ島はオワフ島と違い、観光色が薄い。日本語も通じにくい。そういった意味では初の体験が待ち受けていそうで多少は期待していた。しかしその代償としてさらに飛行機を乗り換え一時間弱のフライトが待ち受けているのだった。


面倒くさい入国審査、4時間にわたる待ち時間をビールと食事を取りながら過ごす。レストランでは店員に『生ビール』を伝えることに苦労した。バドワイザー、コロナの瓶を経て3杯目にしてようやく生ビールにありつけた。あ~もどかしい。とにかく、ろくに寝てない体にアルコールが染み渡っていく。バーベキューソースの味しかしないポテトをつまみに2時間近く飲んでいた。


そんなこんなでようやくハワイ島へ向けての搭乗時間となった。ここで事件がおこる。


その3へ

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Hawaii その3 [旅]

飛行機に乗る場合、手荷物検査と自身をチェックする金属検査が行われる。これは何も持っていなくてもジーンズの鉄ボタンなんかに反応して、案外ピーピー鳴って止められたりするものだ。でもあまりいい気はしない。


今回も検査前に英語で『ランダムに鳴るかもよ』的なことを言われていた。まあ、鳴ったところでその場に止められて少し調べられて終わりだろう位に思っていた。意気揚々とチェックゲートをくぐる。


ビーッ私のところで見事センサーが反応した。


「ちっ、めんどくせ」と思い、その場で待機する。後ろから来た会社の仲間が私の股間を指差して「これが原因ちゃうの?」と冗談をとばす。その一連の流れをみていた空港会社の外人姉さんは笑っていたが、私は笑う気にはなれななかった。なぜなら向こうから大きな黒人が私めがけて迫ってきたからである。


彼はサモアの怪人マイティモーを彷彿とさせる体格の持ち主だった。180cm近くある私が見上げるレベル。しかも腕の太さは私の太もも2本分はゆうに超えていた。肌は黒光りし、強固なイメージを更に増幅させる。その上腕二頭筋が躍動し私を奥の個室まで連れて行ってくれた。

素直に「やばい」と思った。


英語でワーワー言われる。向こうは説明しているだけなのかも知れないが、未体験ゾーンに軟禁された私には『動くと殺すぞ!』とさえ訳すことができた。

両手を上げられ全身くまなくボディーチェクされる。されるがままの私は操り人形のごとくマイティモーにもてあそばれた。操を奪われた気分だった・・・。うそ


5分後、濡れ衣は晴れた。『ランダム検査だからごめんね』的なことを最後に言われてマイティモーの呪縛から解放され皆のもとへ向かう。

この一連の騒動で仲間内の話題を独占したことが唯一の救いだった。


その4へ


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Hawaii その4 [旅]

小型機に乗り込みハワイ島へ飛び立つ。

怪しげなフルーツジュースのサービスが終わり、40分程度経ったところでハワイ島の地におり立った。飛行機の旅もこの位の時間で済めば快適なのに。。。帰国に10時間かかることを思って逆にブルーになってしまった。


宿泊先はコンドミニアム(賃貸型リゾートマンション的な)。相当な大金をかけて部屋を購入するシステムの物件である。うちの会社で今年購入した代物らしい(まったく知らされてなかった)。年間何日か過ごすだけでこれだけの金額を払うだけの事はあり、部屋も広く生活に必要な全てのものが揃っていた。これが現在の金持ちスタイルらしい。私たち社員は3~4人部屋。そして社長とビクトリアは勿論2人部屋へと移動した。その後全員でバーベキュー大会が催された。


ク〇ニに忙しかったのか社長とビクトリアは予定時刻を遅れてきたが、それ以外は大きなトラブルもなく宴は始まった。買い出し班がビールを12本しか買ってこなかったのを確認していた私は、別に40本のビールを購入していた。これが功を奏した。『バーベキューにはビール』ということで12本のビールは一瞬で消えた。近くにコンビニがあるわけではないハワイ島で私の40本バドワイザーは大いに活躍した。まあ、自分の為に買ったものだが、感謝されて悪い気はしなかった。


宴もひと段落したところで野良猫が3匹ほどやってきた。

コンドミニアムに隣接したバーベキュー会場なので、奴らも餌を何度かもらった事があったのだろう。私が肉を分け与えると人懐っこく嬉しそうに食べていた。しかし、野良猫たちは野生を忘れてはいなかった。

社長が調子にのって猫に餌をあげようとしたその瞬間・・・

『いたい!!』

社長が叫んだ。薄暗いなかで左手を抑えている。彼の親指から血が滴り落ちていた。野良猫は本能で危険を感じたのだ。私たち社員が一度も向けたことの無い牙を野良猫は社長に浴びせていた。社長の親指には立派な歯型がついたことだろう。ついでにバイキンもたっぷり投入して頂ければこれ幸いだ。『ナイス!!』皆、心の中で叫んだ。日ごろのうっぷんをハワイ島の野良猫が少し晴らしてくれたのだった。


社長はビクトリアに甘えて、絆創膏をしてもらっていた。そしてそそくさと部屋へ戻って行った。ク〇ニの続きをしたいのだろう。まあ、邪魔ものが消えていき、私はのびのび飲むことにした。

いい仕事をした野良猫にソーセージのかけらを与えながら。


その5へ




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